やるせない、よりは扱いやすい何らかの感情
・人から相談を受けることが多い。恋愛相談が特に多いな。付き合いたい、とかそういうのじゃなくて、付き合ってる人とうまくいかないみたいなそういうやつ。
・わたしは相談をしてくれる人が好きだ。わたしを頼ってくれているところも好きだし、好きな人だからこそわたしも親身になりたいと思う。
・だから120%味方なのだ。その人の。
・私の中で好きってそういうことだから。
・その人が関係性を悩んでいる相手の否定をする。
・だって嫌なことされたっていうし、話聞く限り本当に嫌なことだし、嫌なやつだし、最悪だね、最低だね、って言って、おねがい、私の大好きなあなたのためにその人と縁を切ったほうがいいよ。と伝える。
・でもそれって、で?なんだよ。
・人間関係の悩み、何度も言うようだが、恋愛の悩み、特に女の子からの相談の場合、その相手と縁を切りたくてその後押しをして欲しい、なんて思ってる人はほぼいない。
・どうしようもなく好きで、自分への愛があるなら変化して欲しい、愛があると信じたい、あるに決まっているのだから変化するべき、というような、まあ兎角どうしようもない問題なのだ。
・どうしようもないからこそ、人に話して、なんだろう、せめて怒りや哀しみに変えようとするのかな?と思う。
・やるせない、よりは扱いやすい何らかの感情に。
・私に恋人について話す人は恋人を愛している、私は愛していない。愛していない人間の愚かさの話を聞いて、わたしは怒る、話した人も怒ったような顔をしている。怒ったらいい、と思う。
・大抵の場合話した人は恋人の元へ帰る。そうだよね、縁切る!もう二度と会わない!とはならないことが多い。
・そして、恋人の顔を見る、きっと好きな顔だ。恋人の声を聞く、きっと好きな声だ。優しいハグをされるかもしれない。キスを、セックスを、するかもしれない。
・もう恋人への怒りは消えている。
・わたしは変わらず怒っている。
・なぜなら私は愛していないから。
・あんなに怒っていたじゃないか、なぜ。わたしはあなたのためにいくらでも怒るのに。あなたは怒らせる相手のところに帰る。
・何度味わっても、すごい脱力感だった。
・否定をやめることにした。
・わたしの否定はどう頑張っても実存する愛の対象には敵わないからだ。
・今あなたの話している嫌な部分だけじゃないからあなたはその人を愛している。恋人でいるんでしょう?と聞く。
・感じている幸福を肯定する。
・素敵ですね。素晴らしいことです。
・そんな幸せなときもあるけれど、こんなつらいときもあるんですね。どっちが大きいですか?幸福のほうが大きいのでしょう。であればこういった折り合いをつけて関係していくのはどうでしょうか?と提案する。
・そうすると、話した人は、思考する。怒りは鎮まって仕舞えば終わってしまう。でも、思考は幸福でもできる。
・一緒に怒るより、思考の手伝いをしたい、と思う。
・まあ今が幸福ならオールオッケーでーす!ってなる人がいるのも知ってる。そういう人は、それでいいと思う。わたしもその人の一瞬一瞬を幸福にする手伝いをしてあげたい。
・好きだから。
・全部、全部、好きだからだよ。これが届いてるみんなに言ってる。